2005年12月09日

オフショアリングという大きな挑戦

【 今日の記事 】

《  オフショアリングという大きな挑戦  》

          2005/12/8 Management Issues(英)


 賃金や福利費用を大きく節約する可能性を持つことで、オフショアリングの動きが世界的に勢い保ち続けるでしょう。しかしその際、企業はいろいろ異なる人々を管理するという問題を避けることはできません。この問題は、海外と国内の両方であります。


 カンファレンス・ボードの最近の報告によると、海外で国内よりかなり低い賃金や給与で従業員を雇用する場合、チャンスもあるがリスクもあります。


 給与の点で、米国の事務員は時給15ドルですが、インドでは2ドルです。またカリフォルニアのプログラマーの平均年収は78千ドルですが、インドではわずか11千ドルです。オフショアリングした場合の経済的な結論は明確です。


 しかしオフショアリング市場における労働力の需要が増えるにつれ、企業はこの好機がいつまで続くか、また労働力の供給が需要の増大に追いついていけるかを考えています。


 すでにITスキルをもった人材に対する需要の増大が、彼らの賃金水準を押し上げています。インドでも特にバンガロールやニューデリーのような、中心地において顕著です。


 中国、インドやその他の国でも、高い技術を持った労働者の数は増加しているけれども、高い非識字率、言語習熟度の欠如、不十分な高等教育といった教育上の重大な制約があれば、その成長を簡単に止め、オフショアの地域としての魅力をそぐことになります。


 他方評論家は、賃金格差を求めて管理業務を海外へ移した場合の問題点は、国内の賃金や収入を押し下げる力が働くことだと警告します。


 オフショアリングやアウトソーシングに関して、カンファレンスボード・シニアアドバイザーのトン・ヘイジュメン氏は、そのような賃金格差は、失業や労働の長時間化といった社会的な緊張を高めるという危険性をもたらすと指摘しています。


 経営や人事に関する調査で、企業はアウトソースする前、それによって生じる利益、トレーニングや移動、文化的にかかる費用やその他かかる費用を考える際に、賃金の先行きを見ておく必要があると指摘しています。


 またその調査では。企業は国内においても、オフショアリングにより仕事を失う従業員を助けるために計画をたて、オフショアリングから生じる混乱を抑え、不満をかかえた社員の抵抗を抑え、従業員のモラルやポジティブなイメージを持ち続けさせることが必要であると論じています。


 「もしも企業が社員を雇う際のイメージを守りたければ、これらの点をすべて考慮しておかなければなりません。」と、ヘイジュメン氏は言いました。


 「このようないろいろな挑戦においては、革新的なアプローチやリーダーシップが求められます。」


 企業はオフショアリングを行う前にやっておかなければいけないことがあります。その国の雇用法に精通し、特に解雇に関する必要なことや義務などについて、相当な配慮をしておくことが必要です。


 企業は、経歴のチェックや照会などを通じて能力のある従業員を選別するなど雇用や解雇に要する費用やその手続き、あるいは適用する標準的な契約事項についても知っておかなければなりません。


 同様にオフショアリング・プロジェクトを行うリーダーにとっては、プロジェクト管理やその他の管理上必要なスキルは本質的に重要なことです。


 またオフショアリング担当の経営幹部は、管理上生じた問題を処理する能力や、配下のチームや個人のモチベーションを上げる技術をもった、良い管理者であるべきです。


 「オフショアリングを担当する経営幹部に最も必要なことのひとつは、信頼感を育み、維持させていく能力です。」と、この調査を主に行ったジャン・コーチ氏は言います。


 企業がこういった協力関係を築くことに取り組む中で、コーチ氏は管理者は重要な決定を行うすべてのレベルで関与し、社員が自分達の同僚やリーダーの能力を信じ、異文化間で健全に、知識を持って、協力していくという開かれた雰囲気を作り出すことを求めています。


 「製造というものは、組織内の各部門との間の高度な調整やとりまとめといった企業内の業務を総合して、個別の処理、ビジネス上の各工程やその他のサービスを行なって、管理していく長い期間を要するものです。」とトム・ヘイジュメン氏は言います。


 「業務上の問題に加えて、経営幹部は選択したオフショアリングの体制にかかわらず、時差を超えて人々やプロジェクトを管理し、推進し、対立を解消していかなければなりません。


【 今日のキモ 】

 今日の記事はオフショアリングに取り組む前に、コスト差から生じる利益だけに目を奪われずに、管理や人事といったバックグラウンドの整備や準備をきちんとやっておくことの重要性を指摘したものです。

 言われてみると当然のことではありますが、あらためてキモに銘じておかなければいけないことです。

 欧米は労務管理にドライな印象がありますが、オフショアリングでは世界中の人々との間をとりもって、モチベーションをあげていかないといけないので、こういった人材管理技術も管理者には必要でしょう。

 とりたてて特別なことではありませんが、ときおりこの内容を読み返して、思い起こしておきたいいい内容の記事だと思います。
 
             有限会社アイジェイシー・トップページ


posted by Katsuhiko Doi at 15:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 05年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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