2005年12月29日

ソフトウェアの分野で、中国はインドから学んでいます。

【 今日の記事 】

《  ソフトウェアの分野で、中国はインドから学んでいます。  》

          2005/12/27 INVESTOR'S BUSINESS DAILY(米)


 技術の分野で、中国は世界の経済大国として大きな役割を果たしています。しかしこの国には、遅れている分野がまだひとつ残ってます。ソフトウェアです。


 低コストで高品質な仕事を求める米国やその他の国に対してソフトウェアを開発するといった、アウトソースされるソフトウェア・サービスの供給者として、中国はやるべきことがあります。アウトソーシングは、ハイテクの分野で世界に登場するために、重要な鍵となるものです。


 中国にはそのためのお手本があります。博彦科技Beyondsoftや福瑞博徳Freebordersといった、中国でアウトソースされるソフトウェア会社はインドから学んでいます。両社とも中国に強力なソフトウェア・アウトソーシング産業を作るという、大きな夢を持っています。


 インドは成功へ導く明確なモデルを示しています、と北京に拠点をおく博彦科技の創業者で最高経営責任者のビン・ワン氏は言います。「インドの会社は、今確実にこの業界で付加価値をつけていっています。まだ我々はそこまで行っていません。」


ウィプロ、インフォシスが良い例です。


 過去10年、ウィプロやインフォシス・テクノロジーズといったインド企業は、アウトソースされたソフトウェアのための世界的企業へとなりました。


 インド企業は基本的なプログラムを作り、テストすることからはじめました。彼らの低コストで高品質な労働力は、その他の地域から見て非常に魅力的なものでした。


 そのうちにインド企業は、自社のソフトウェアの品質と納品の方法を改善させてきました。最近では彼らはより複雑で、金になる上流へと移行してきました。彼らはコンサルティング・サービスまでも加えてきました。


 今度は中国がその進歩の階段を登る番だ、とワン氏は言います。彼は強力な技術産業を作るためには、新しい高速道路、港、建物やその他インフラの急速な整備が必要だと説いています。


 また政府もハイテクの振興のため、巨額の投資をしています。さらに中国では毎年技術系の学生を、30万人以上も量産しています。ワン氏は、「中国における競争は激化しており、政府も国家経済を、低級品の生産から高級な技術サービスへと移行させようとしています。」と言っています。


 中国のソフトウェア産業は、まだ小さな企業が多い業界です。中国は数千ものソフトウェア製造者がいます。しかし50名の社員を持つ企業はまだほんの少しだと、マッキンゼーは指摘しています。明らかな業界のリーダーもまだ出現していません。


 中国最大のソフトウェア・アウトソーサーでも、誰もが知る名前ではありません。2004年の売上げ上位5社は、大連華信計算機技術Dalian Hi-Think、東軟集団Neusoft、中訊軟件SinoCom、上海啓明ソフトウェアVenus Software及びChangxiangです。その他には、海輝軟件HiSoft、China National、易思博BroadenGate Systems, CVIC SEやWorksoftなどの会社があります。


 世界で最も人口の多い国に非常に多くの企業があることで、中国のソフトウェア・アウトソーシング市場はすでに大きなものとなっていることはわかります。


 この業界の売上げは今年10億ドルに達する、とIDCは発表しました。この会社では、売上げは年率51%で伸びて行き、09年には47億ドルに達すると予測しています。


 中国は日本にとって、すでに最大のオフショア・アウトソーシング拠点となっており、今年10億ドルの売上げのうち、2.25億ドルが日本向けです。


 さらに成長するために、中国はインドから手がかりを得る必要がある、と博彦科技のフィリップ・リューCOOも賛意を表してます。インドが金融部門において良い評価を築いてきたように、中国は製造業や小売り業の顧客からの良い評価を求めていくべきです。


 「そこは我々にとっての重要なマーケットです。その分野への足跡の拡大のためにも、小さな戦略的買収も行い、インド企業を追いかけていくことを計画しています。」とも、付け加えました。


 一方サンフランシスコのフリーボーダー社は、全400名のプログラマーが中国の深川で働いています。その町は、今月中国政府と米国の技術調査会社のガートナーが主催した、アウトソーシング・サミットが開かれた場所です。


 フリーボーダー社のジョン・チェスターCEOは、「中国のウィプロを入念に、そして静かに作って行っているところだ」と言います。


著作権侵害が、ひとつの障害としてあります。


 同様に博彦科技の使命というメッセージは、「中国のインフォシスになる」という目標ではじめています。


 「インドはこのモデルの開拓者です。我々はインドがしてきたことから、多くを学ぶことができるのです。」と、チェスター氏は言います。


 中国市場は険しい障害に直面しています。そのひとつは、90%にもなるソフトウェアの著作権侵害率です。加えて、言語的、文化的障壁もあります。


 フリーボーダー社はソフトウェアの品質を上げるために、インドのコンサルティング企業のサイバーQ社と協同で取り組んでいます。その結果フリーボーダー社は今月、ソフトウェアの品質で世界的な認証を与える組織から、最高ランクを得ることが予定されています。ほとんどの中国のソフトウェア企業はランク2ですが、この会社が得た評価はランク5です。


 チェスター氏は、言葉に関する懸念は重要視していません。彼は中国における英語を話す多くの大学卒業者について言及し、フリーボーダー社では昨年2万人の入社の願書を受け、220人しか採用しませんでした。


 「彼らは皆、英語を完璧に近く話すことは保証できます。」と、彼は言います。


 中国のソフトウェア産業が成長していくための最大の障害は、経験豊富な管理者の不足だ、とチェスター氏は言います。彼は、それはこの国の国営企業の長い歴史に起因する、と言います。


 「この国の産業界には多くの官僚主義が存在し、しばしば欧米標準の品質や納品でなされないのです。」と言います。


 多くの欧米企業は中国に注目しています。博彦科技は、IBMやヒューレット・パッカードなどの米国の技術リーダーに、アウトソーシング・サービスを提供しています。そこの最大の顧客は、マイクロソフトです。


 博彦科技は今年の売上げは1,200万ドルになるだろうと言っています。それは中国の北米へのアウトソーサーで第三位です、とCCIDコンサルティングは言います。


 博彦科技の社員はこの2年で倍増し、800名になりました。売上げの伸びは、1995年の会社設立以後平均して毎年50%以上伸びています、とリューCOOは言います。


 「中国にアウトソーシングする理由はいっぱいあります。」と彼は言いました。


【 今日のキモ 】

 今日の記事は、ソフトウェアのアウトソーシングにおける、中国の課題が集約されて述べられています。

 それは、中国のこの業界は中小企業が多く、管理者クラスの人材が不足していることと、言語、及び著作権侵害の問題です。

 ただ人口が多く、自国の市場規模が多く、インドが比較的弱い、製造業や小売業においては、今後勝負していけるようになる可能性はあります。

 ただ中国も人件費の上昇は大きく、人材の流動性が高いという問題もあります。

 ただコストダウンを求めて、付加価値の低い業務を、小さい企業に委託するという日本企業のアウトソーシング形態では、よく注意しておくことが必要です。

 
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posted by Katsuhiko Doi at 10:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 05年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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