2005年12月30日

オフショアリングでない、世界的分業の将来

【 今日の記事 】

《  オフショアリングでない、世界的分業の将来  》

         2005/12/30  Business Standard(インド)


 ビートルズのジョン・レノンが国がないと想像してごらん、と歌ったのは1971年でした。21世紀のビジネスは次第にそうなってきています。


 ビジネス・プロセス・アウトソーシングからナレッジ・プロセス・アウトソーシング、知的財産アウトソーシングまで、ビジネスはコストが安くて市場が存在するところに移動し、国境がなくなってきています。これは世界的分業(GDW)という新しい表現で、言い表されます。


 コーディネーターでフロリダ国際大学教授のクルディープ・クマール氏は、世界分業に関する国際会議におけるGDWに関する説明の中で、まず最初に会社において国境とは何かを理解することが重要なことだ、と語りました。


 ドイツにとっては、ブタペストがニアショアリングで、インドがオフショアリングです。米国にとっては、メキシコがニアショアリングでブラジルがオフショアリングです。これはオフショアリングはプレーヤーの地理的なものに依存する相対的な言葉です。それでオフショアリングという言葉を使う代わりに、我々はGDWと言う言葉を使うことにします、とクマール氏は言います。


 どのような仕事も、広く世界中の場所や組織に振り分けられています。この世界的な分配は、相違や異なる状況といったものを持ち込んできます。


 この過程は、企業が他の国でいろいろな資源を準備することから始まり、世界中でパートナーを組むところまでの長い道のりです。これは単にオフショア開発から次第に、革新のための拠点やビジネス上での提携へと変わっていきます。


 低コストや新市場というのが分業の最初の動機でしたが、企業は次第に、仕事上で世界中の人材や、革新的で知識のつまったさまざまな文化に接することで、成長や競争優位のための新たなチャンスが得られることが分かってきました。


 しかしながら、場所的、時間的、組織的、インフラや文化的な隔たりのある世界的な業務の配置は、協力して仕事を行うために採られた経営手法に大きな問題を引き起こしています。


 クマール氏は、上流のサービスを目指したいろんな革新や人材の移動などの過程で、我々は新たな情報、知識経済の出現を経験していると言っています。


 トーマス・フリードマンとは矛盾しますが、世界はいろいろな分野における経済活動や他の分野での革新において、すばやく移り変わってきていると言います。知識労働はインドや他のアジア諸国で増え、ヨーロッパで減少しています。


 この重要性を強調して、フィリップス・イノベーション・センターのボブ・ヘクストラCEOは、米国は世界の農場として残るだろうし、欧州は世界の美術館になるだろうが、中国は世界の工場、インドは知識工場となるだろう。そして労働力の不足が、知識経済の世界地図を決めるだろうと言います。


 インドは創造的な経済の受け皿になるのでしょうか。

 ガートナー・メタ・グループの報告書で、インド企業は役に立とうと顧客に最高の態度で接し、革新的でないことにも熱心に取り組む意欲があり、IITやIIMのような進歩を促進させていく知識の研究施設を持っていると言っています。


 クマール氏の発言を裏付けて、シリコンバレーの約40%はインド人か中国人であり、インテルのチップを設計するほとんどの人はインド人です。最新の技術革新であるiPodは、ハイデラバードに拠点をおくインパルス・ソフトウェアのソフトウェアを使っています。このことはインドは革新の中心地となり、次第にビジネス・パートナーへとスケールアップしていく力を持っていることを示しています。


 協業的パートナーシップや、単にデータを集めるバックオフィスでないことが、最近のインドへの分業の流れです。


 ゴールドマン・サックスの調査では、豊富で比較的貧しい多くの人々がいるところが最大の経済地となると言っています。ヘクストラ氏は、インドには世界で活動する企業が集まり、その企業で働く市民は世界中の人々で構成されます。インドは、この役割を演じる主要なプレーヤーになるでしょう。


 このような環境に必要とされる条件として、インドは人種や文化のるつぼになるためには、完全な資本主義と世界への開放です。



【 今日のキモ 】

 年末に来て、インドの将来を予測したような記事が増えています。

 その大半は、当然ながらオフショアリングの進展から、明るい未来を予測したような記事です。

 日本の高度成長が始まった頃と良く似ているのではないでしょうか?

 いずれにしても、インドは単にオフショア開発基地から、広く知識労働の拠点となる方向へ動いています。

 
             有限会社アイジェイシー・トップページ


posted by Katsuhiko Doi at 10:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 05年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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