2005年12月31日

インドのコールセンター業界は、新たな課題に取り組んでいます。

【 今日の記事 】

《  インドのコールセンター業界は、新たな課題に取り組んでいます。  》

2005/12/31 Bangkok Post(タイ)


 毎晩数千人のインドの若者が、ヘッドフォンをつけてアメリカやイギリスの顧客からの、いろいろな問題に答えるために、コンピュータの前に座っています。彼らは皆アメリカ、イギリスのアクセントで話し、欧米風の名前も持っています。現在この業界は、35万人近くの男女を雇用しています。この数は今後3年で、100万人にまで増えると言われています。しかし最近、この明るい業界は新たな挑戦に挑んでいます。


 今月バンガロールで、ヒューレット・パッカードのオフショア業務を行っていた24歳の女性が、深夜に働く人のために送迎している運転手により暴行され、殺されました。


 従業員の40%が女性であるような業界にとって、この事件は労働者や、とりわけ抗議の行進をした小規模なコールセンターの労働者に、大きなショックを与えました。


 しかしこの産業の首脳は、広く男女平等への努力を行っている現状で、これを女性に対する暴力が増える一般的な傾向のひとつとみています。バンガロール警察は、この会社の「警備」体制を非難しました。


 女性従業員への物理的人的安全は業界にとって大きな問題でなかったのに、コールセンターはデータのセキュリティには間違いなく関心を持っています。


 2005年におきた一連の事件は、インドのコールセンターが扱う欧米の顧客の個人情報の保護に関する欠陥を露呈しました。


 英国とオーストラリアのメディアにより、クレジット・カード情報などの外国の顧客の個人データが露出された、2つのケースが明らかになりました。


 プネではコールセンターの従業員が、50万ドルにおよぶ不正行為をしたとして捕まっています。


 このような事件は、顧客の個人情報がオフショアのコールセンターで危険にさらされているという、米国や英国内での反アウトソーシングのロビー活動によってその恐れを強調されただけに終わりました。


 インド政府当局や業界では現在、データ・セキュリティの法律を強化しようと取り組んでいます。そしてコールセンターを開設しようとするものには、審査がなされるようになりました。


 この業界を結束させていることは、ビジネス・プロセス・アウトソーシング、BPO産業に関するアウトソーシング産業での労働組合結成に対する要求です。


 左翼的な人間による労働組合は、いかなる労働法にも合法的に免除されてきた、BPOやソフトウェア業界における労働組合の結成を許可するよう要求しています。


 この要求は、この業界における搾取的な労働慣行が明らかとなったBPO業界における労働条件を調査して、さらに強いものとなってきました。


 業界では、従業員を大事にしており、労働組合を組織する必要はないと言っています。BPOの従業員は基本的にグレー・カラーの「知識労働者」であり、古くからのブルーカラー労働力と同じではない、とインド・コールセンター協会は言っています。


 また、この業界が与えている労働環境や保証は、最高クラスのものだ、とも言っています。


 左翼主義者は生き残るため助けを求めていますが、中央政府はこの問題には態度を明確にしていません。左翼主義政党も、自身が政府を構成している西ベンガル州政府がこの動きに反対しているため、BPOにおける労働組合を許可するという、この要求に応えるつもりがないようです。


 西ベンガル州政府は、外国のIT大手が州内に投資するように熱心に勧誘しています。


 左翼組合の圧力により、この州ではBPO労働者が組合を結成することを認めました。しかしこの業界は必要不可欠なサービスを行っているとして、労働者がストをすることは禁止しています。


 政治家や政策立案者は、教育を受けた多くの若者に外国との交流や雇用の機会を与え、ITやBPOセクターを促進するものとして、そのことには一致して同意しています。


 彼ら政府もその成長のために、障害は排除したいのです。


 今日では、インドのITやBPO産業は数十億ドルと見込まれ、すでに100万人近くを雇用しています。


 インドは、世界のオフショアリング市場の50%を得る潜在力を持っています。輸出は2010年までに毎年25%伸びると見込まれています。


 しかしインドのリーダーシップを持続させていくのは簡単なことではありません。」と、マッキンゼーのジャヤント・シンハ氏は言います。彼はそのために、3つのことが必要であると見ています。


 第一に労働者のスキルや質を向上させていく必要があります。大学卒の10-15%、技術系の大学卒の中ではわずか25%しかオフショアITやBPO業界での雇用に適していません。


 二番目に利益を求める圧力に対して、企業は新たなサービスを開拓し、開発していくことに加えて、継続的に業務改善に取り組んでいかなければなりません。


 さらに都市機能のインフラ整備にも、早急に取り組まなければなりません。


 ITやBPO産業の成長軌道は、社会的な関心やさらに大きな問題を引き起こします。


 何人かの著名な科学者や社会学者は、BPOに従事する労働者、またソフトウェア技術者ある範囲は、ごみを取り除く作業にふける電子おたくと見ています。


 社会学者も、アウトソーシングがその業界で雇用されている労働者の生活スタイルに影響してきていると見ています。夜まで続けて働くために、健康への関心が高まっています。


 いくつかの業界では、IT部門に人が集まることでスキルを持った技術者や科学者が不足し始めています。


 トップクラスのエンジニアリングやコンサルティング会社は最近、東南アジア諸国で建設技術者を雇っていると言っています。


 知識経済国家になることを目指している国にとって、新年にゆっくりと考えるべき問題がいくつもあります。



【 今日のキモ 】

 インドのコールセンター業界は成長著しいだけに、いくつか問題もかかえています。

 データのセキュリティには、これまでインドへの批判の最大のものであったために、重点的に取り組んできており、すでにかなりの成果を見せています。

 最近はそれに加えて、BPOの米国時間に合わせた、また男女平等の流れに対応した、特に女性労働者の深夜労働のセキュリティにも焦点があたってきています。

 労働組合の問題は、ITが新産業のため労働組合の影響を受けなかったことも、その成長の一要因にあげられていました。

 西ベンガル州は長い間ずっと(現在も)共産党政権ですが、それでも外資誘致に積極的で、企業優遇措置も充実しており、投資の点でも共産党政権ゆえの問題は全くありません。

 急成長ゆえの労働力不足懸念への対応が、来年の主要なテーマになるでしょう。

 
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2005年12月30日

オフショアリングでない、世界的分業の将来

【 今日の記事 】

《  オフショアリングでない、世界的分業の将来  》

         2005/12/30  Business Standard(インド)


 ビートルズのジョン・レノンが国がないと想像してごらん、と歌ったのは1971年でした。21世紀のビジネスは次第にそうなってきています。


 ビジネス・プロセス・アウトソーシングからナレッジ・プロセス・アウトソーシング、知的財産アウトソーシングまで、ビジネスはコストが安くて市場が存在するところに移動し、国境がなくなってきています。これは世界的分業(GDW)という新しい表現で、言い表されます。


 コーディネーターでフロリダ国際大学教授のクルディープ・クマール氏は、世界分業に関する国際会議におけるGDWに関する説明の中で、まず最初に会社において国境とは何かを理解することが重要なことだ、と語りました。


 ドイツにとっては、ブタペストがニアショアリングで、インドがオフショアリングです。米国にとっては、メキシコがニアショアリングでブラジルがオフショアリングです。これはオフショアリングはプレーヤーの地理的なものに依存する相対的な言葉です。それでオフショアリングという言葉を使う代わりに、我々はGDWと言う言葉を使うことにします、とクマール氏は言います。


 どのような仕事も、広く世界中の場所や組織に振り分けられています。この世界的な分配は、相違や異なる状況といったものを持ち込んできます。


 この過程は、企業が他の国でいろいろな資源を準備することから始まり、世界中でパートナーを組むところまでの長い道のりです。これは単にオフショア開発から次第に、革新のための拠点やビジネス上での提携へと変わっていきます。


 低コストや新市場というのが分業の最初の動機でしたが、企業は次第に、仕事上で世界中の人材や、革新的で知識のつまったさまざまな文化に接することで、成長や競争優位のための新たなチャンスが得られることが分かってきました。


 しかしながら、場所的、時間的、組織的、インフラや文化的な隔たりのある世界的な業務の配置は、協力して仕事を行うために採られた経営手法に大きな問題を引き起こしています。


 クマール氏は、上流のサービスを目指したいろんな革新や人材の移動などの過程で、我々は新たな情報、知識経済の出現を経験していると言っています。


 トーマス・フリードマンとは矛盾しますが、世界はいろいろな分野における経済活動や他の分野での革新において、すばやく移り変わってきていると言います。知識労働はインドや他のアジア諸国で増え、ヨーロッパで減少しています。


 この重要性を強調して、フィリップス・イノベーション・センターのボブ・ヘクストラCEOは、米国は世界の農場として残るだろうし、欧州は世界の美術館になるだろうが、中国は世界の工場、インドは知識工場となるだろう。そして労働力の不足が、知識経済の世界地図を決めるだろうと言います。


 インドは創造的な経済の受け皿になるのでしょうか。

 ガートナー・メタ・グループの報告書で、インド企業は役に立とうと顧客に最高の態度で接し、革新的でないことにも熱心に取り組む意欲があり、IITやIIMのような進歩を促進させていく知識の研究施設を持っていると言っています。


 クマール氏の発言を裏付けて、シリコンバレーの約40%はインド人か中国人であり、インテルのチップを設計するほとんどの人はインド人です。最新の技術革新であるiPodは、ハイデラバードに拠点をおくインパルス・ソフトウェアのソフトウェアを使っています。このことはインドは革新の中心地となり、次第にビジネス・パートナーへとスケールアップしていく力を持っていることを示しています。


 協業的パートナーシップや、単にデータを集めるバックオフィスでないことが、最近のインドへの分業の流れです。


 ゴールドマン・サックスの調査では、豊富で比較的貧しい多くの人々がいるところが最大の経済地となると言っています。ヘクストラ氏は、インドには世界で活動する企業が集まり、その企業で働く市民は世界中の人々で構成されます。インドは、この役割を演じる主要なプレーヤーになるでしょう。


 このような環境に必要とされる条件として、インドは人種や文化のるつぼになるためには、完全な資本主義と世界への開放です。



【 今日のキモ 】

 年末に来て、インドの将来を予測したような記事が増えています。

 その大半は、当然ながらオフショアリングの進展から、明るい未来を予測したような記事です。

 日本の高度成長が始まった頃と良く似ているのではないでしょうか?

 いずれにしても、インドは単にオフショア開発基地から、広く知識労働の拠点となる方向へ動いています。

 
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2005年12月29日

ソフトウェアの分野で、中国はインドから学んでいます。

【 今日の記事 】

《  ソフトウェアの分野で、中国はインドから学んでいます。  》

          2005/12/27 INVESTOR'S BUSINESS DAILY(米)


 技術の分野で、中国は世界の経済大国として大きな役割を果たしています。しかしこの国には、遅れている分野がまだひとつ残ってます。ソフトウェアです。


 低コストで高品質な仕事を求める米国やその他の国に対してソフトウェアを開発するといった、アウトソースされるソフトウェア・サービスの供給者として、中国はやるべきことがあります。アウトソーシングは、ハイテクの分野で世界に登場するために、重要な鍵となるものです。


 中国にはそのためのお手本があります。博彦科技Beyondsoftや福瑞博徳Freebordersといった、中国でアウトソースされるソフトウェア会社はインドから学んでいます。両社とも中国に強力なソフトウェア・アウトソーシング産業を作るという、大きな夢を持っています。


 インドは成功へ導く明確なモデルを示しています、と北京に拠点をおく博彦科技の創業者で最高経営責任者のビン・ワン氏は言います。「インドの会社は、今確実にこの業界で付加価値をつけていっています。まだ我々はそこまで行っていません。」


ウィプロ、インフォシスが良い例です。


 過去10年、ウィプロやインフォシス・テクノロジーズといったインド企業は、アウトソースされたソフトウェアのための世界的企業へとなりました。


 インド企業は基本的なプログラムを作り、テストすることからはじめました。彼らの低コストで高品質な労働力は、その他の地域から見て非常に魅力的なものでした。


 そのうちにインド企業は、自社のソフトウェアの品質と納品の方法を改善させてきました。最近では彼らはより複雑で、金になる上流へと移行してきました。彼らはコンサルティング・サービスまでも加えてきました。


 今度は中国がその進歩の階段を登る番だ、とワン氏は言います。彼は強力な技術産業を作るためには、新しい高速道路、港、建物やその他インフラの急速な整備が必要だと説いています。


 また政府もハイテクの振興のため、巨額の投資をしています。さらに中国では毎年技術系の学生を、30万人以上も量産しています。ワン氏は、「中国における競争は激化しており、政府も国家経済を、低級品の生産から高級な技術サービスへと移行させようとしています。」と言っています。


 中国のソフトウェア産業は、まだ小さな企業が多い業界です。中国は数千ものソフトウェア製造者がいます。しかし50名の社員を持つ企業はまだほんの少しだと、マッキンゼーは指摘しています。明らかな業界のリーダーもまだ出現していません。


 中国最大のソフトウェア・アウトソーサーでも、誰もが知る名前ではありません。2004年の売上げ上位5社は、大連華信計算機技術Dalian Hi-Think、東軟集団Neusoft、中訊軟件SinoCom、上海啓明ソフトウェアVenus Software及びChangxiangです。その他には、海輝軟件HiSoft、China National、易思博BroadenGate Systems, CVIC SEやWorksoftなどの会社があります。


 世界で最も人口の多い国に非常に多くの企業があることで、中国のソフトウェア・アウトソーシング市場はすでに大きなものとなっていることはわかります。


 この業界の売上げは今年10億ドルに達する、とIDCは発表しました。この会社では、売上げは年率51%で伸びて行き、09年には47億ドルに達すると予測しています。


 中国は日本にとって、すでに最大のオフショア・アウトソーシング拠点となっており、今年10億ドルの売上げのうち、2.25億ドルが日本向けです。


 さらに成長するために、中国はインドから手がかりを得る必要がある、と博彦科技のフィリップ・リューCOOも賛意を表してます。インドが金融部門において良い評価を築いてきたように、中国は製造業や小売り業の顧客からの良い評価を求めていくべきです。


 「そこは我々にとっての重要なマーケットです。その分野への足跡の拡大のためにも、小さな戦略的買収も行い、インド企業を追いかけていくことを計画しています。」とも、付け加えました。


 一方サンフランシスコのフリーボーダー社は、全400名のプログラマーが中国の深川で働いています。その町は、今月中国政府と米国の技術調査会社のガートナーが主催した、アウトソーシング・サミットが開かれた場所です。


 フリーボーダー社のジョン・チェスターCEOは、「中国のウィプロを入念に、そして静かに作って行っているところだ」と言います。


著作権侵害が、ひとつの障害としてあります。


 同様に博彦科技の使命というメッセージは、「中国のインフォシスになる」という目標ではじめています。


 「インドはこのモデルの開拓者です。我々はインドがしてきたことから、多くを学ぶことができるのです。」と、チェスター氏は言います。


 中国市場は険しい障害に直面しています。そのひとつは、90%にもなるソフトウェアの著作権侵害率です。加えて、言語的、文化的障壁もあります。


 フリーボーダー社はソフトウェアの品質を上げるために、インドのコンサルティング企業のサイバーQ社と協同で取り組んでいます。その結果フリーボーダー社は今月、ソフトウェアの品質で世界的な認証を与える組織から、最高ランクを得ることが予定されています。ほとんどの中国のソフトウェア企業はランク2ですが、この会社が得た評価はランク5です。


 チェスター氏は、言葉に関する懸念は重要視していません。彼は中国における英語を話す多くの大学卒業者について言及し、フリーボーダー社では昨年2万人の入社の願書を受け、220人しか採用しませんでした。


 「彼らは皆、英語を完璧に近く話すことは保証できます。」と、彼は言います。


 中国のソフトウェア産業が成長していくための最大の障害は、経験豊富な管理者の不足だ、とチェスター氏は言います。彼は、それはこの国の国営企業の長い歴史に起因する、と言います。


 「この国の産業界には多くの官僚主義が存在し、しばしば欧米標準の品質や納品でなされないのです。」と言います。


 多くの欧米企業は中国に注目しています。博彦科技は、IBMやヒューレット・パッカードなどの米国の技術リーダーに、アウトソーシング・サービスを提供しています。そこの最大の顧客は、マイクロソフトです。


 博彦科技は今年の売上げは1,200万ドルになるだろうと言っています。それは中国の北米へのアウトソーサーで第三位です、とCCIDコンサルティングは言います。


 博彦科技の社員はこの2年で倍増し、800名になりました。売上げの伸びは、1995年の会社設立以後平均して毎年50%以上伸びています、とリューCOOは言います。


 「中国にアウトソーシングする理由はいっぱいあります。」と彼は言いました。


【 今日のキモ 】

 今日の記事は、ソフトウェアのアウトソーシングにおける、中国の課題が集約されて述べられています。

 それは、中国のこの業界は中小企業が多く、管理者クラスの人材が不足していることと、言語、及び著作権侵害の問題です。

 ただ人口が多く、自国の市場規模が多く、インドが比較的弱い、製造業や小売業においては、今後勝負していけるようになる可能性はあります。

 ただ中国も人件費の上昇は大きく、人材の流動性が高いという問題もあります。

 ただコストダウンを求めて、付加価値の低い業務を、小さい企業に委託するという日本企業のアウトソーシング形態では、よく注意しておくことが必要です。

 
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2005年12月28日

ロシアより愛をこめて

【 今日の記事 】

《  ロシアより愛をこめて  》

         2005/12/27   IT Management(米)


 インドがオフショア・アウトソーシングにおける注目を独占していますが、ロシアがここ数年、着実にその存在を拡大しており、アメリカのオフショア・ソフトウェア開発ビジネスの主要な委託先として急速に台頭してきています。


 アナリストは、ロシアが2007年の北米と西欧のオフショア開発総額の、5%を獲得するだろうと予測しています。


 「IT輸出におけるロシアの規模は、2004年にはほぼ5億ドルで、その後毎年25%を超える率で増加しています。」と、ガートナー・アナリストのスタン・リピーク氏は言います。


 アプリケーションの全領域の中でもカスタム・アプリケーション開発は、ロシアのITサービス市場において主要なサービス分野です。加えてロシアは研究開発やデザイン、組込みシステム開発、専門的なテスト、ソフトウェア・パッケージの統合や移行サービスの分野において、安心して委託できる先となっています。


 このような技術分野は、ロシア独特の強みがあり、高い水準にあります。それは以下のようなことに起因しています。エリートを育成する大学のシステム、高い技術を持つ豊富な労働力、大規模で複雑な技術的な問題を解決できる多くの分野にわたる専門家の存在、米国や西欧諸国と比べた労働コストの優位性、西欧や米国への地理的な近さ、そして西洋との文化的な近さなどです。


 以上のようなことは、ロシア・ソフトウェア開発及びITサービス企業貿易協会RUSSOFTによる最近の調査、「ITアウトソーシングの委託先:ロシア」で指摘されています。この報告書において、ロシアでオフショア・ソフトウェア開発を行っている250もの世界的な企業の例として、ボーイング、アルカテル、ロイター、ロンドン株式市場やシーメンスといった企業をあげています。


 なぜこのように多くの企業が、インドへの投資をし続けることよりもロシアへ引きつけられるのでしょうか?RUSSOFT会長のヴァレンチン・マカロフ氏は、このことはオフショア・アウトソーシング市場における委託の流れに、変化が生じている兆候であると見ています。


 最初は、(あのY2Kのバグによりもたらされた、出口のないようなパニックにより広まった)IT業務のオフショアへの大規模な移動でした。多くの企業は喜んで労力を投じるより、インド企業へ根気のいるコード・チェック作業を丸投げすることを選択しました。そしてこのことが、オフショアで簡単なソフトウェア開発作業を行わせるきっかけとなりました。そして今日では、より複雑なOracle、.NetやJavaプログラミングといった作業がオフショアへ移されていくようになりました。


 「我々はより安いプログラミングから、ビジネスの中心にかかわるより複雑なソリューションのアウトソーシングへと移行してきました。」と、マカロフ氏は言います。「高い教育水準や創造力といった、広く認知されたロシアの強みが、多くの新たな機会を開拓しているのです。」


 この傾向は、フォーチュン500社がロシアに開発センターを作っていることで明らかです。モトローラ、インテル、サン、IBM、ボーイング、デルやノーテルといった会社は、モスクワやサンクトペテルブルグといったところに大規模な開発センターを設立した企業のほんの一例です。


 たとえばデルはLUXOFTとの協力で、最近1500名以上の人員を持つ2つの開発センターを設立しました。そしてそのうち90%は大学卒で、また61%は科学技術の分野で修士以上の学位を得た者です。


 「いくつかのプロジェクトをLUXOFTのセンターに委託することにより、IT部門の時間やエネルギーに余裕ができ、現状と同等かそれ以上のペースでITのアウトプットを出し続けていくことができます。」と、デルの上級管理職のJ.R.カーター氏は言います。


 LUXOFTも、ボーイング、ドイツ銀行やIBMといったよりハイレベルのプログラミングや製品開発に取り組んでいます。そこでは、最新版のウィンドウズやリナックスベースのツールからメーンフレームまで、広範囲なプラットフォーム上での開発を行っています。


 ロシアに大きな開発センターを持つその他の企業は、エレクトロニクス製品の設計やエンジニアリング・サービスを行っているカリフォルニア・サンホセに拠点をおくケイデンス・デザイン・システムです。ケイデンスはロシアビジネスの拠点を設立するため、カリフォルニアのフォスター市に米国本社を持つロシア企業のミランティス社のサービスを利用しています。


 「ロシアには多くの主要な世界の技術企業の施設があり、エレクトロニクス製品設計の中心地になっています。」と、ケイデンス社会長のレイ・ビングハム氏は言います。「ロシアには非常に優秀なエレクトロニクスのデザイナーやエンジニアが多くいます。」


 RUSSOFTによると、ロシアは世界の科学者や技術者の数で、世界の主要都市中第三位です。またそのことが人材の宝庫として470万人の学生をかかえることができ(モスクワだけで60万人)、その50%は科学、数学やコンピュータ・サイエンスを専攻しています。


 これら学生は国際プログラミング・コンテストで、常に勝利を得ています。たとえば世界で最も有名な競技会である、計算機学会(ACM)国際大学対抗プログラミング・コンテストにおいて、ロシアは過去6回の大会で4つの金メダル、1つの銀メダル、そしてひとつの銅メダルを誇っています。


 「ロシアはソフトウェア技術者が優秀な能力を持っており、アメリカのハイテクに多大の関心を持っています。」と露米商工会議所のデボラ・パルミエリ会頭は述べました。「彼らは優れた論理性を持っており、アメリカのノウハウと組み合わせることで、相乗効果を得ることができます。」


 現在ではロシアはすでに、金融部門で信頼を得ています。上述のように、LUXOFTはドイツ銀行に向けてサービスを提供しています。またレクソフト社は欧州の銀行向けにトレーディング・システムを作り、ヴェステド・デベロップメント社は大規模な顧客向けの金融、投資システムを提供しました。


 最も有名なロシアのIT企業を聞かれたRUSSOFTのマカロフ氏は、LUXOFT、スター・ソフト開発、VDI、レクソフト、EPAMシステムやオリガといった名前をあげました。


【 今日のキモ 】

 ロシアのスキルレベルの高さは有名です。

 欧米でのオフショア開発熱や、自国の技術者不足を背景として、比較的高レベルのソフト開発業務の受託に力を入れています。

 これからも人材の層の厚さと、インドに比べた文化的感覚の近さで、欧米の仕事を得ていくでしょう。

 ただロシアも石油開発などを核とした空前の好景気に沸いており、コスト的な優位性は失われつつあります。

 ロシアは技術レベルの高さと、金融を中心にした開発実績や人材の層の厚みを武器に世界オフショアリング市場で存在感を高めて行くことでしょう。

 今後オフショアリングの状況を見る上で、インドや中国だけでなく、ロシアの状況を抜きに語れなくなることでしょう。

 
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2005年12月27日

低賃金で働く、英国のインド人IT労働者

【 今日の記事 】

《  低賃金で働く、英国のインド人IT労働者  》

            2005/12/26     Rediff(インド)


 英国内の技術者不足の見通しの高まりに対応して、より低い賃金で働く、短期滞在許可を得たインド人ITワーカーが、英国内にかなりの数いる、とIT協会は言っています。


 「ホテルに宿泊させ、低い賃金でインド人労働者を使っている企業では、賃金が低く抑えられています。」と技術者派遣企業協会のアン・スウェイン会長はデイリー・テレグラフに語りました。


 彼女によると、IT労働者の給与はここ数ヶ月低下しています。


 ホームオフィスで働く入国者数として、今年21,448人の外国人IT労働者が入国を許可され、その数は2004年より15%増加し、5年前に比べて倍増しています。そしてその85%はインドからの入国です。


 ペイスケールの調査では、インドでソフトウェア・プログラマー経験者は、同様のスキルを持つ英国人の収入が年33,000ポンドであるのに対して、年に6,600ポンドです。


 旅費、生活費が差し引かれるため、インド人労働者は「顧客から受けた費用の約半分が請求されることになります(一日あたり650ポンドに対して、350ポンド)」と、アウトソーシング・コンサルタントを行うアルスブリッジのエリザベス・ゴードン・プフ氏は言います。


 「英国で業務を行っているあるインドの会社は、その2000人のうちの約80%がインド人で、加えて数週間から数年の仕事で働くインド人がいます。」と、デイリーは彼女の言葉を引用しています。


 技術者派遣企業協会の調査では、ITサービスの「共用化」により常用のITヘルプデスク勤務者の平均給与は、今年3%低下し17,538ポンドとなりました。他方派遣労働者は25%の低下で、時給12ポンドとなっています。


 スウェイン氏は、「オンショア・オフショアリング」と言われているこの傾向は、英国の技術者不足にダメージを与えることになるかもしれないと、注意を促しています。


 「もしも英国内に初級レベルの仕事が残ってないとしたら、会社は中級から上級レベルの業務を行うITスタッフをどのようにしたら確保できるのでしょうか?IT関係を専攻した大学卒業者数の減少が、今後数年での慢性的な労働者不足の状況から知れわたるところとなるでしょう。」と彼は言いました。


 彼女の懸念を受けて、アミカス労組財務担当のデイヴィッド・フレミング書記は、「もしもバック・オフィスはオフショアリングされ、製造国でもない、太った猫と美容院だけ」の国になってしまうかもしれないと警告しています。


 デロイト・コンサルタンシーは、欧米に現在ある2百万の仕事が、2008年までにインドに移動すると予測しています。


 業界によると、ほとんどのコンサルティング会社は「オンショア・オフショアリング」の形態を提供しています。


 IBM、ロジカルCMG、アクセンチュアやキャップジェミニなどはすべて、タタ・コンサルティング・サービスやインフォシスがやるように、プロジェクトに対応してインド人労働者を英国に入れています。


 企業がインド亜大陸から人を入れる本当の理由のひとつは、英国の大学卒業者がインドの技術系大学卒業者のレベルにないことです。


 「知的レベルや細かいことへの注意力は英国の教育システムを受けてきた英国人スタッフに欠けていることです。」と、ITの専門家は言います。


【 今日のキモ 】

 英国では、顧客のところで働くのでなく、英国内に在住するインド人に仕事をだす、オンショア・オフショアリングの形態が多くあります。

 この傾向が進んで、企業のコスト削減は進み、他方英国人の給与水準も下がると言う影響がでています。

 この給与水準の低下や、仕事がインドなどへ移ることから、米国や英国では、大学卒の若者のIT企業への就職者数の減少という影響が出始めています。

 このことは世界的にも多方面の影響を及ぼす、大問題です。

 インド国内の人材不足や、賃金上昇にもつながってきています。

 ますますIT関係の仕事や、スキルワーカーや、経験がインドに蓄積されていくという影響もあります。

 この場合、これまであまり外国との取引が少なかった日本は、相対的に有利な状況となっていく可能性もあります。

 加えて、インド人と比べて英国人大学卒業生の資質や教育システムにまで、議論が広がっています。

 
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2005年12月26日

技術の動きは、今後どうなっていくのか。

【 今日の記事 】

《  技術の動きは、今後どうなっていくのか。  》

             2005/12/26    ICE World(インド)


 2005年は、インドのIT部門にとって本当にいろんなことがありました。マイクロソフト、インテル、モトローラやフィリップスといったITや電機大手が、研究開発や製造に数十億ドルの投資を表明しました。


 このことは結局は、より多くの仕事が(特に携帯では)より安い製品やより良いブランドへと移っていくことになりでしょう。しかしインド国内企業のIT投資は低いもので、それは(現在4%以下である)GDPへの寄与度も低く、生産性も低いものでした。


 今年もビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)やナレッジ・プロセス・アウトソーシング(KPO)が増えました。一方インド人へ業務がシフトしたことで、欧米において反発がおこりました。IT活用サービス産業で51億ドルを売上げ、Nasscomでは2005年のインドのBPO部門の成長は約40%と見込んでいます。世界のオフショアBPO市場は2007年には240億ドルになり、そのうちインドが138億ドルを占めるとると見込んでいます。


 しかしながら最近のガートナーの報告書で、労働力不足と賃金上昇がこの流れを壊し、2007年にはインドの市場占有率が45%も低下することもありうると注意を促しています。


 フィリピン、マレーシア、べトナムや、ハンガリー、ポーランドなどの東欧諸国のような新興国もインドのオフショアBPOにおける主導的な地位に挑戦し始めています。BPO/KPOにおいては、それらの国はイメージを損なうことのないように、彼らはデータや従業員へのセキュリティに対しても注意を払うべきでしょう。その上、労働組合も潜在的な脅威となるでしょう。


 携帯革命について述べないわけにはいかないでしょう。インド携帯電話オペレータ協会(COAI)は、インドの携帯電話の数は2007年には2億になる可能性があると見込んでいます。


 現在その数は約7千万です。インドの携帯電話産業はGDPに3,130億ルピーの貢献をしています。インドの消費者は携帯サービスに、すでにGDPにおいて、それはEU諸国と同じ比率で消費しています。


 しかしながら最近のオーヴァム・リサーチの報告書では、国内のネットワーク環境や製造業の未熟さのせいで、GDPの53%は輸出によるものだと指摘しています。


 またその見通しでは、360万もの業務が携帯電話産業に依存しており、この数字は今後12ヶ月で30%増えると見込まれています。この業界はインド政府に1,450億ルピーの貢献をしています。このうち30%は携帯電話サービス部門からの直接の税です。


 そしてこの分野での無線技術について政府は、(現在の第2世代のサービスよりも4,5倍の能力を持つ)第3世代規格を2006年までに導入することにしています。インテルやBSNLは、(どこにいてもWiFiを活用した(またはセントリノの)ラップトップをワイアレス・ネットワークに接続し、ネットに即座にログオンできる)ホット・スポットを導入しています。


 第3世代の技術は、ITES/BPO分野におけるインドの競争力を強化することに役立つでしょう。これは現在(BSNLを含む全プロバイダで)67万kmにもなる、インドの光ファイバー網を拡充することにつながるでしょう。


 無線技術や標準については、WIMAXや超広帯域(UWB)といったものを取り込んだものとなっていくでしょう。たとえばWIMAXは、この分野での新しいものです。Wi-Fiや802.11bの技術を引き継ぎ、Wimax(802.16a)は、より高速にするものです。


 Wimaxは第4世代の技術への遷移過程と考えられています。またWimaxの設備コストは、より進んだ第3世代や、2010年までには同様の能力が得られる第4世代のワイアレス・システムとも同等であると見られています。


 インドにおけるインターネットの浸透については、ネット・ユーザーは4千万にまで増え、これは2007年までには1億人に達すると予測されています。ブロードバンドの爆発的な普及により、デジタル化された家庭が築かれることになるでしょう。


 Eコマースは2006年には230億ルピーに達すると見込まれています。RFID(無線IC識別)タグは、ショッパーズ・ストップやパンタロンのような、ショッピング・モールでのバーコードに取って代わってきています。ガートナーは、世界のRFID支出は2005年には5.04億ドルに達すると見込んでいます。この数字は、より広い産業に適用されることにより、2010年までには30億ドルを上回るかもしれません。


 (ガートナーによると2010年には世界ソフトウェア市場の20%を占めると見られる)オープンソースの動きは、IBMやサンといった大企業がそちらの方向へ移行するなど、勢いを得ています。ゲームは大きなビジネスになってきています。ブログ、仮想化、ロボット工学、自動化目マネジメント、IPを使った音声送受信(VoIP)は集中化された装置、統合化プラットフォームや、アプリケーションとウェブサービスの合成、すべて今年花開いたものです。


 サービスやユーティリティ・コンピューティングが流行語になりました。インド企業のIT支出(ハードウェア、ソフトウェア、通信やITサービス)は2006年には1兆930億ルピーに達すると見込まれ、そのうち通信サービスや装置へ7,390億ルピー、ハードウェアに1,720億ルピー、ITサービスには1,410億ルピー、そしてソフトウェアでは410億ルピーです。


 全世界での企業の情報通信関連支出は、(社内のIT担当者への給与支払を除いて)、2006年には1兆7,680億ドルに達すると見込まれます。アジア太平洋での企業の情報通信関連支出は、2006年には2,100億ドルに達するでしょう。


 ナノテクを取り入れた製品はすでに世界市場にでています。サムソンは洗濯機にナノ・シルバーを組み入れています。リージョーンズは、ナノテックス社が開発した「ナノ・ウィスカー」という繊維技術を使った水漏れしないパンツを売り出しています。


 その他の流れとしては電子機器の小型化、(アップルのナノ・iポッドのような)スリム化、(たとえばノキアのNシリーズやモトローラのRazrのような)高性能化や美的感覚を持つ方向です。つまり、いろいろな技術を集めて小さくまとめていく時代になってきています。



【 今日のキモ 】

 インドでも、今年を振り返る記事が出始めました。

 インドのIT産業の発展は良く知られたところですが、欧米からの受注の伸びが大きなことと、欧米の仕事の方が単価的に良いため、欧米の仕事に注力しており、意外とインド国内企業のIT化はさほど進んでいませんでした。

 インドは増大する業務をこなしていく、労働力の確保にこれから力を注いでいかなければなりません。

 一日の長はありますが、新興国との競争もあります。

 インドの携帯電話は、契約台数が毎月200万台以上のペースで増えており、一大産業となってきています。

 この携帯電話関連技術でも、既存IT技術と融合し伸びていってます。

 その他RFIDやナノテクなど、インド政府の製造業振興政策ともあわせ、今後力を入れていく分野となるでしょう。

 
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2005年12月24日

HPの女性従業員への殺人事件に、皆ショックを受けています。

【 今日の記事 】

《  HPの女性従業員の殺人に、皆ショックを受けています。  》

2005/12/23 Yuva Jobs(インド)


 その犯罪は、コンピュータ・プログラムの開発からアメリカのクレジットカード・ユーザーからの電話の処理まで25万人の労働者が働く、その町のハイテクやバック・オフィス業界に衝撃を与えました。そしてそこで働くほぼ半数は女性です。


 今週、ヒューレット・パッカードの従業員を送るために雇われたタクシーの運転手が、彼女をレイプし、殺しました。そしてその後の16日の金曜日に、警察はバンガロールのハイテク業界で働く女性を守ることを目的とする、いろいろな安全施策を発表しました。


 彼女ら従業員の多くは、北米やヨーロッパの昼間に電話を受けられるように、深夜に働いています。そのためこの業界は、インドで女性が深夜に働く数少ない産業となったのです。


 多くの都市の暗くなってからの街角は、女性にとっては危険であり、このことはインドで長く問題となっていました。


 火曜日にバンガロールの郊外のヒューレット・パッカードのオフショア・センターでの業務を終えた後、24歳の女性が行方がわからなくなりました。そして彼女の死体が木曜日に郊外で発見されました。


 シヴ・クマールという運転手がつかまり、彼女を殺したことを認めたと、警察は発表しました。金曜日の検視の結果、彼女は殺される前にレイプされたことが認められました。


 この犯罪に対応して警察は金曜日に、会社に対して女性従業員を家と会社の間を送る時には同伴者をつけるよう求めたと、バンガロールを管轄するカルナタカ州警察のシン・シアル署長は述べました。


 従業員の送り迎えをする契約をしたタクシー会社に対しても、その運転手に対して写真と履歴提出するように求める、と彼は述べました。


 「現状は多くのレイプをしようとする者に、その機会を与えることになっています。我々は、いかにしてそのような機会を最小化するかに取り組んでいます。企業は女性が最初に乗り込み、最後に降りることのないようにしなければなりません。」と、シアル氏はマスコミに対して述べました。


 インドのアウトソーシング輸出売上げ172億ドルの1/3を、バンガロールで生み出しています。この都市のオフショア・アウトソーシング産業は24時間業務を行っており、その従業員を職場へ送るのは数百のタクシー会社に頼っています。


 したがってタクシー運転手の需要が多く、運転手の経歴などのチェックが不十分なものとなっていました。


 インドの全国ソフトウェア・サービス業協会(NASSCOM)のキラン・カルニク会長は、この殺人は「ひどいニュース」だと指摘した上で、「我々は即座に、多くの企業と仕組みを見直し、このような犯罪が繰り返されることのないよう話し合っていく。」と述べました。


 バンガロールの多くの企業は、今回の殺人事件を受けて、自社の送迎契約を見直し始めています。


 「我々は多くの規則を労働者を守るように規定しています。しかし今回の事件は我々にもっとよく見直すことが必要であると示しました。」と、インド第三位のソフトウェア輸出会社のウィプロのハリ・ヘデ部長は述べました。


 カリフォルニアのパロ・アルトに本拠を置くヒューレット・パッカード社は今回の犯罪を非難し、アミット・シルカー広報担当官は「我々は従業員のご家族の悲しみに哀悼の意を表します。」と述べました。


【 今日のキモ 】

 インドはアメリカとの時差が、ちょうど12時間であり、アメリカの業務を補完する上では、非常に都合が良く、このことがインドのオフショア開発の発展を支えるひとつの要因になっています。

 一方、コールセンターなどの業務においては、インドでの深夜労働を強いることになり、女性にとっては特にセキュリティの問題が指摘されてはいました。

 したがって、従業員は会社まで送迎することが一般的でしたが、今回の事件を受けて、さらにその強化が求められることになりました。

 インドは、これまで昼間でもあまり女性が出歩くことはなかったのですが、最近はショッピングセンターの進出や、若者の欧米化指向、さらに中産階級の急増などにより、だいぶ街中を女性が出歩くようになって来たところです。

 今後はこのような社会の変化に対応して、安全に関する施策も拡充しているところです。

 が、まず第一には、個人や各社できちんと対策をとっておかなければいけないでしょう。

 
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2005年12月23日

韓国とインドが技術に関する覚書に調印しました。

【 今日の記事 】

《  韓国とインドが技術に関する覚書に調印しました。  》

            2005/12/22     Korea.net(韓国)


韓国とインドが工業技術とあわせて、ITで両国の中小企業間でより多くの協力ができるよう協定書に調印した、と政府が22日の木曜日に報告しました。


 その協定は、通産副大臣のチョ・ファン・エイ氏とインド側のA.K.ドゥア氏との間で、水曜日にニューデリーで調印されました。


 通商産業エネルギー大臣は3つの覚書は、これまで数年にわたって年率6-8%の成長を達成してきた、韓国のインドとのとの絆を拡大することになるだろう、と語りました。


 インドは、ブラジル、ロシア、中国とともに急速に経済が拡大している4大国、いわゆるBRICsの一国です。


 両国間の貿易は今年10ヶ月で54.5億ドルに達しており、韓国が20.1億ドルの黒字です。


 韓国は、米国、日本などに次ぐ、インドへの第五位の投資国です。


 「この覚書は、両国経済の強みを十分に活用できるように計画されています。」と政府高官は述べました。彼は優れた能力を持つインドのITソフトウェア業界は、韓国のITハードウェアの優位性を評価していると指摘しました。


 これは両国の中小企業の間にさらなる協力関係を強めていくことになり、大臣はこれまで両国のコングロマリットに集中しすぎてきたビジネスの絆に、より大きな多様性を促進していくことになるだろうと語りました。


 またIT分野でのより緊密な協力関係は、より良い情報交換や専門家のトレーニングに対しても大きな機会を提供することができる、とも付け加えました。


 韓国の副大臣は彼のインド側の相手に対し、両国間の貿易が100億ドルに達し、ウィン・ウィンの関係に導くために建設的な対話を行っていくなど、力をあわせて進めていくよう呼びかけました。


【 今日のキモ 】

 韓国は相変わらず、インドに対してアグレッシブです。

 インドに対しては、いろいろな分野で日本よりも深く食い込んでいるといっても良いでしょう。

 ただし、韓国の問題点は(対インドだけの問題ではありませんが)、大きすぎる大企業にかたよりすぎて、中小企業が弱いことです。

 今日のこの記事は、中小企業レベルでの韓国とインドの交流を促進していこうという政策に重点をおきだしたとしたら、これはかなり手ごわいものとなります。

 日本も政府、大企業は徐々にインドに力が入ってきましたので、中小企業でも戦略的なインドとの関係構築に取り組んでいくことが求められます。

 
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2005年12月22日

オフショアに拠点を築く。

【 今日の記事 】

《  オフショアに拠点を築く。  》

             2005/12/21   ZDNet(英)


 各種のオフショア・アウトソーシング・サービスを提供するベンダーの数は、現在175以上もの国で、1万ものベンダーを上回ると見込まれています。アウトソーシングは、多くの組織のIT戦略で、重要な要素となっています。当然これを促進する主な要因は、多くのオフショア・プロバイダーは我々に、アウトソーシングITサービスを使うことで品質の改善効果があると思わせようとしているにもかかわらず、顧客の望みは依然として各種コスト削減です。


 世界市場(及び企業業績)の全般的な好転の結果、組織は新たな収益源の構築やITビジネス戦略を求めています。IT全般を見渡し、もっとはっきりとした価値を得ようと、ITでの達成目標を探している状況で、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)・オフショアリング市場への大きな推進力となっています。


 コストを削減し、品質を向上させ、あるいはビジネスを創造するために、多くの組織はオフショアに拠点を持っているか、オフショアに拠点を作ろうと考えています。しかし大きな問題は、作るのか買うのかということです。組織は自分のオフショアでの拠点を新たに作るべきでしょうか、あるいは第三者を利用すべきでしょうか?この問いに答えるためには、異なる状況では異なるモデルが必要となるように、最初に何をオフショアにするのかを決めなければなりません。


 もしもプロジェクトごとに、場当たり的にオフショアへ移されるなら、「トライアル」として使う場合でも、その取引のパートナーの組み方は最適なものにできやすいです。そしてこの形態は、組織がオフショアリングについて確信がもてない組織にとっても良いものでもあります。この場合では顧客の組織にほんの小さな目標があれば良いのです。そして同時にこの目標のレベルはオフショアリング・ベンダーに対しても同じです。これは、オフショアリング・プロバイダーが個々のプロジェクトをうまくやるかどうかだけが重要で、より大きなプロジェクトや長期間のアウトソーシングでも同じくうまくやれるかどうかを問う必要はないということです。


 戦術的なパートナー関係の構築が、次のレベルになります。すなわちそれは有効なオフショア開発センター(ODC)です。これは一般的に、3年、場合によっては7年にもなる供給者と顧客の間の契約を意味します。これは顧客と供給者の両者にとっての、プロジェクト毎の目標だけにとどまりません。より長期にわたって、プロバイダーは契約の期間の間は顧客の要求に従い、所定のアウトプットを納める約束をします。そして通常この関係は徐々に拡大していきます。人間がテクノロジーをどう取り扱うかと同様に、アウトソースされた業務がなされるべき詳細なやり方として「プロセスの手順」が重要となります。さらに、サービスレベル契約書が定義され、定期的に見直されなければなりません。


 協業的なパートナー関係として知られている構築、管理、移譲(BOT)モデルは、上記形態と同様な機能を持ちますが、戦術的パートナー関係構築のひとつのステップであると位置づけられます。契約は一般的に同じ期間です。しかし契約の最後に、オフショアの機能の所有権を顧客の組織に移すことが決定的に違うことです。ネス・テクノロジーズは、ネス・マネージド・ラボを通じて、アウトソースを検討しており、自社の研究開発機能を拡大させようとするソフトウェア組織に、BOTモデルを提供するオフショア供給者のひとつです。そこでは実際に中程度の期間アウトソースする先を探している組織に、人気のあるモデルを提供しています。BOTモデルは、顧客組織がオフショア企業と心地よく働くことができるものです。


【 今日のキモ 】

 今日の記事では、オフショア先に拠点を築こうとする組織向けの考え方を提示しています。

 最初は、1件ごとにオフショア・ベンダーと契約して良くやり方。

 次にオフショア開発センターへと発展し、その語BOTモデルへと遷移していく流れです。

 多国籍大企業でない場合は、このような手順で拠点を築いていくやり方は合理的であるように思えます。

 このBOTサービスを提供する会社も、記事にある会社もあわせていくつか出てきたようです。

 将来的にインドや中国へ拠点を築くことをお考えの方は、このやり方は十分選択しうるものであると思います。

 
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2005年12月21日

フランスでは、オフショアリングのメリットへの疑問が高まっています。

【 今日の記事 】

《  フランスでは、オフショアリングのメリットへの疑問が高まっています。  》

           2005/12/20   Financial Times(英)


 フランスの産業界は、業務をコストの安い外国に移すというオフショアリングでのコスト・メリットに、疑問を持ち始めています。しかしコンサルティングのKPMGと、仏雇用者グループのメデフが発表した調査結果によると、企業は海外市場へ投資しても、自国に仕事を残すことができると信じています。


 オフショアリングの脅威は、フランス工場で労働者を法定の35時間でなく、週40時間働くよう提案している、ドイツのエンジニアリング・グループのボッシュが言っています。オフショアリングは、先週香港で開かれたWTOに大挙出動した、フランスの反グローバリゼーション団体の言う言う、おばけでもあるのです。


 しかしながら調査では、オフショアリングの魅力は徐々に弱くなってきています。中小企業200社の内56%が、業務を労働コストの安い国に移すメリットはないと言っています。この比率は昨年調査の29%より増えています。


 他方74%は、外国投資による新市場やコスト削減によりもたらされる業績の改善が、フランス内の保護された仕事を助けることになると言っています。


 「オフショアリングした事例は確かにありますが、彼らは中小企業の戦略を代表したものではありません。またどちらの考えも、競争力の欠如をおぎなうための、普遍的な解決策にはなりません。」と、仏KPMG代表のジーン・ルク・デコノイ氏は言っています。


 同時にEUの拡大に伴う、東欧の労働市場の開放は「脅威というよりチャンス」と見るべきでした。しかし売上げが小さく、あるいは革新性の欠如した中小企業にとっては、低コスト経済国はまだ危険なものとしてとらえています。


 そんな仏中小企業と、だんだんと大きくなっていく革新的なライバル達の戦略との間の溝はだんだんと大きくなってきている、とこの報告書は示しています。


【 今日のキモ 】

 フランスは、言葉の壁がある点で、日本と近い状況にあります。

 また労働者保護制度もいきわたっており、これが経済の低迷や雇用者数の増加を阻害する要因ともなっており、先日の暴動のひとつの要因ともなっています。

 このような、米英に比べてやや保守的な面や、革新性の欠如へ警鐘を鳴らしている論調です。

 このようなフランスの状況は、米英と違う路線という事例として、参考になる事例です。

 やはりオフショアリングなど、新しいことにチャレンジしていくという姿勢で、会社の戦略も革新していくことが、新興国に対する競争力の維持に重要である、という意見であり、同感するものです。

 
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2005年12月20日

富士通がインドでの業務拡大で、2,200万ドル投資か。

【 今日の記事 】

《  富士通がインドでの業務拡大で、2,200万ドル投資か。  》

           2005/12/19     Hindustan Times(インド)


 世界3位のITサービス企業である富士通が、インドで積極的な業務拡大を図るため、今後2年で2,200万ドルをインドに投資することになりそうです。


 東京に本拠を置く、450億ドルのテクノロジー・コングロマリットは、ハイデラバードに2千人のオフショア開発センター、バンガロールに研究開発センター、そのほかインド国内にプラットフォーム・ソリューション・センターを設立する計画です。


 「最終的な目的は、インドをオフショア、ソフトウェア開発を推進していくハブにすることです。」と、この会社の経営幹部は言っています。この会社のチームが3,4週間前にインドに来て、自社の業務拡大の可能性調査を行いました。


 富士通は今日、インドでの販売やサポート業務の強化のために、バンガロール事務所を開設すると発表しました。


 富士通のインドへの投資計画について尋ねられた、富士通アジアの上級副社長のチョイ・チー・コン氏は直接には答えませんでした。


 チョイ氏は中国で今後2年間の投資として、プラットフォーム・ソリューション・センターの設立とマーケティング費用として2,200万ドルを上回ると言い、この数字はインドと関連付けられるものです。


 富士通は2年でインドのITサーバー市場において、5%のシェアを得ることを目指しているとも言いました。


 世界で15万人の社員がいる富士通は、ITコンサルティング・サービス、システム・インテグレーション、ITインフラ管理やITソリューションなどを提供しています。


 ソフトウェアやサービスでの売上げは、昨年は200億ドルであったと述べました。


 富士通PCアジア・パシフィックの販売&ビジネス開発担当のモク・ワイ・トン副社長は、インドでの製品構成を整備する途中であると言っています。


【 今日のキモ 】

 先日はNECのニュースがありましたが、今日は富士通です。

 日本のIT大手も、ようやくインドに力が入ってきたようです。

 ただ今日のニュースは、まだ正式な発表ではないようです。

 しかしながら今日の記事からは、インドに力を入れることはわかりますが、まずは販売に力点があるように感じられます。

 研究開発やオフショア開発センターも置くようですが、やるのであればインドを重要拠点と位置付け、本当に力を入れてほしいものです。

 怒涛の勢いでインドに食い込む、米国企業との人材獲得競争に勝つためにも。

 
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2005年12月19日

インドにおけるアウトソーシングの将来

【 今日の記事 】

《  インドにおけるアウトソーシングの将来  》

       2005/12/17   Slashdot(米)

 エコノミストはインドのITや、その他のビジネス・プロセスのアウトソーシングの現状や、今後の予想される状況について、さまざまな事を論じています。最大の問題は、技術者数の不足であるように思えます。

 現在ITやアウトソーシングにおける雇用者数は70万人です。そして2010年に、これが230万人に増えると見込まれます。しかし今後5年に、各地の大学からその技術を持った新卒者はわずか105万人であり、50万人が不足することになります。インドでは、毎年250万人の卒業生がいるのにです。

 ITにおけるインドの輸出の伸びはソフトウェア開発と、システム全体の遠隔管理といった「伝統的なアウトソーシング」によるものです。現在の状況は、大きな世界的に展開する会社によりその多くを占めてています。

 世界のIT輸出に占めるインドの売上げ高は、現状の8%から2010年には30%になると見られています。一方ソフトウェア開発のシェアは55%から39%に減少すると見られます。ビジネス・プロセス・オフショアリングにおいては、銀行と保険が最大の産業であり続けるでしょう。しかし法律といった他の分野も、急速に拡大していくでしょう。



【 今日のキモ 】

 Slashdotはブログ形式で、情報発信しています。

 この記事に関するコメントとして、インドの人材不足に対しては、東欧が狙い目であるといった意見が多いようです。

 最近インドでの人材の不足が、かなりあちこちで話題になっています。

 日本でもソフトウェア開発の状況では、人材不足の様相をていしてきました。

 またインドがこのような状況であることをベースとして、最近米国を中心に、急速に将来の人材確保に対する不安心理が芽生えてきています。

 このことが、インドにおける賃金の上昇をもたらすことは避けられないでしょう。

 現在アメリカの人材確保戦略はインドですが、日本の人材確保戦略についても考えておくことが必要です。

 
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2005年12月17日

反オフショアリング法の議論が活発化しています。

【 今日の記事 】

《  反オフショアリング法の議論が活発化しています。  》

              2005/12/16 CIO TODAY(米)


 オフショアリングを厳しく制限する法案が、今年に入って連邦議会と、

ほとんどすべての50州で発議されました。そして法的な動きが弱まる兆

候はありません。成立した法案のほとんどは厳しさに欠けるもので、またいくつかはマイナスの結果をもたらすものでした。たとえばいくつか

の州は、コールセンターを米国に戻すために、数百万ドルの出費が必要になります。しかしもっと強力な法案を通すためのロビー活動は、激化しています。


 「州レベルでは、このような動きはまだ続いていくでしょう。」と、全

米政策基金(NFAP) のスチュワート・アンダーソン専務理事は語りました




 サービスやブルーカラー労働者は、オフショアリングを制限する法律を支持しています。アメリカ人の職を守るためにウェブサイト上で法律を点検し、アウトソーシングやオフショアリングに対して「歴史上最大のアメリカ人労働者の動員」することを使命にしていると言います。


 この点での対極には、DELL、インテル、IBMやモトローラといった有力な

IT企業の集まりであるテクノロジーCEO委員会があります。このグループの

ウェブサイトでは、「全世界からの調達に関する10の誤解」を示してい

ます。


 そこには反オフショアリング団体でも事実と認めざるを得ない、統計を示しています。フォレスター・リサーチはアウトソースされる米国の仕事の数は、2015年には330万に達すると予測しています。このことはブルッキングス研究所のラエル・ブレーナード氏やロバート・リタン氏によると、毎年25万人がレイオフされるということです。


 しかしこの数字は文脈の中でとらえられる必要があります。「これは全

米1億3,700万人の雇用者数に比べて小さいものであり、毎年職を失う

1,500万人のアメリカ人のわずか2%です。」と、その委員会では指摘してい

ます。


 NFAPのアンダーソン氏は、連邦政府レベルでは法律化途中のものに修正

を加えるなどして、オフショアリングやアウトソーシングを阻止するため

の立法の動きは続くと予測しています。昨年連邦政府の業務でアウトソーシングを制限し、オフショアリングを認める州での連邦基金の使用を制限する2つの修正案が上院を通過しました。しかし両院協議会では認められませんでした。


 アンダーソン氏は、国会議員がコールセンターやその他の仕事の輸出を食い止めるため、データの秘密や個人情報の盗難という問題に目を向けるようになることに期待しています。


 「たとえば海外へ送るデータに制限を加え、データを国外へ送ることができる業種に制限を加えているのは、わずが一州です。」と、彼は言います。


 そのような州法が認められ、効力を持った場合は、ニュージャージー州やインディアナ州でおきた最も刺激的な例のような、さまざまな負の影響がでるでしょう。アンダーセンの「忍び寄る保護主義」の分析によると、州内に12のコールセンターで仕事をつくりだすことを定めたニュージャージー州の法案は、そのセンターをオフショアリングした場合に比べて90万ドルも余分なコストがかかることになります。


 他の政策アナリストは、インディアナ州で失業者サービスを行うコールセンターの州の契約を取り消し、そのことが失業居住者へのサービスを減らすことになりました。


 NFAPは発議されたされた法律を追跡しています。それは少なくとも今年の第一四半期で40の州で112以上になります。ほとんどの法案は協議会に送られ、いくつかは引き伸ばされ、いくつかは廃案となり、ほんの一握りだけが通過しました。



【 今日のキモ 】

 米国ではオフショアリングや海外へのアウトソーシングを制限、規制する法案は以前から議論されてきており、ある程度は実行されてきてます。

 インド人などへのビザ発給制限などもその一環です。

 しかし経済的メリットの大きさにはかなわず、オフショアリングの流れを止めることはできず、ますます拡大している現状です。

 これには、オフショアリングにより寛容な共和党政権である影響もあるでしょう。

 またインド側も最大のお得意先であるアメリカをあまり刺激するのは良くないと言う判断から、対米取引は抑制的です。

 この点が、インドの日本や欧州に対する期待を大きくしている要因のひとつです。

 しかし、コストメリットに加えて、人材確保の観点からも、オフショアリングはますます拡大する様相です。

 ただオフショアリングの状況への影響も大きいことから、アメリカの法規制の行方も、チェックはしておくほうがよさそうです。

 
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2005年12月16日

マレーシアは依然として世界最良の地域に入ってます。

【 今日の記事 】

《  マレーシアは依然として世界最良の地域に入ってます。  》

2005/12/15 Malaysia Star(マレーシア)


 A.T.カーニーの、IT、ビジネス・プロセスやコールセンターといったサ

ービスのオフショアリング先として、最も魅力的な場所の年次ランキングによると、マレーシアはインド、中国に次ぐ第三位の地位を保っています。


 今年の(以前はオフショア・ロケーション魅力指数という名前だった)

世界サービス・ロケーション指数で、地域としては東南アジアが今年の最

高の勝者となりました。


 マレーシアの後に、以前は6位だったフィリピンが続き、シンガポールが

第五位を保っています。


 この報告では、マレーシアやシンガポールでは政府の促進政策が引き続

き成果をあげています。


 マレーシアはマルチメディア・スーパー・コリドー計画に沿って、世界クラスのインフラへの投資を増やし続けてきました。さらにマレーシアに進出することを選んだ企業へのインセンティブや、人材供給市場の開設、さらに全国民の英語力や技術スキルの向上を図る政策も行っています。


 タイは13位から6位へ急上昇しました。もともとの25ヶ国中でインドネシアは13位に上昇し、2004,2005年ともベトナムは16位でした。


 この3年で質問もより多岐にわたるようになり、この指数にある国の数は11から25に増え、現在では40ヶ国となっています。


 グローバル・ビジネス・ポリシー・カウンシルの代表取締役で、この調査のA.Tカーニーの出資者でもあるポール・ローディシア氏は、基本的なプロセスが実施できる低コスト国を見つけるのはこれでは十分でない、と言います。


 グローバル・ビジネス・ポリシー・カウンシルの役員のサイモン・ベル氏は、競争が多くの国、地域や都市を、教育システム、インフラや競争力に必要な他の基礎的要因を厳しく見直させるように仕向けていると言います。


 A.T.カーニー・グローバル・ロケーション指数は、コスト、人材の技術力や数、そしてビジネス環境という3つの分野の40項目で、世界中の上位40地点を分析したものです。



【 今日のキモ 】

 マレーシアに限らず、東南アジアはインド、中国にはさまれた地理的な利点を生かし、注目の場所です。

 インド、中国とのFTAも推進しています。

 なかでもマレーシアは、中国系、インド系の住民もおり、積極的にオフショア・アウトソーシングに取り組んでいます。

 前のマハティール首相の時代から、日本と近い関係にありましたが、現在はインド、中国の方に目が向いてる感じです。

 日本から見ても、オフショアリングにおいては、ベトナムの方へ目が向いています。

 日本語教育とコストの点ではベトナムの方が進んでいます。

 ただ世界ランキングで見ると、ベトナムはインドネシアにも及ばないようです。

 いずれにしても、このITアウトソーシングは世界での競争がはげしく、途上国にとってもチャンスととらえて力を入れていますので、今後もこの動きに注目しておく必要がありそうです。
 
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2005年12月15日

インドは2010年までに、オフショアIT人材の危機に直面するでしょう。

【 今日の記事 】

《  インドは2010年までに、オフショアIT人材の危機に直面するでしょう。  》


         2005/12/14 CNET News(米)


 最近でた報告書で、IT人材や物的なインフラの大きな不足が、2010年までにオフショア・アウトソーシングのトップ地域としてのインドの地位を脅かすかもしれないと指摘しています。


 コンサルティングのマッキンゼーとインドのIT団体であるNasscomがまとめたこの報告書によると、労働市場の逼迫がインドのオフショア・アウトソーシング業界を、50万人の人材不足の事態に直面させることになるとしています。


 マッキンゼーのパートナーであるジャヤント・シンハ氏は、インドはその優勢なオフショアITでの地位を維持していくという課題に直面しています。


 「人材のスキルや質は、つねに進歩していかなければなりません。オフショアITやBPO業界の適任者は、技術系新卒者の25%や総合大学卒業者の10-15%しかありません。」と、彼は報告書の中で述べています。


 シンハ氏はこの国では都市のインフラにおいても、道路整備やインド国内のハイテク地域間を結ぶ航空路の整備といった「すばやい対応」が必要だと言います。


 「オフショア企業が、電力からカフェテリアにまで至る、いろんな障害に対応している現状で、都市のインフラにはすばやい対応が必要です。さらなる成長には、一級や二級都市以外の新興ビジネス地区の出現が必要です。」と言います。


 マッキンゼーは、世界のオフショア・アウトソーシング支出額は2010年には1,100億ドルに達し、この問題を克服するならばインドがこの市場の50%以上を得ることができると予測しています。


 Nasscom会長でタタ・コンサルタンシー・サービスのCEOであるS.ラマドライ氏は次のように述べました。「現在インドのITやBPO産業の規模は、220億ドルと見込まれます。インドのこの業界は世界のソフトウェアでの機会をとらえて、世界第一位のIT地域としての強力な地位を築いています。」



【 今日のキモ 】

 現在の論調の主流は、インドはこれからもオフショア・アウトソーシングやBPOで世界のトップの地位をたもつであろうが、人材の供給が追いつくかが課題であるということです。

 今日の記事は、このことを再確認した上で、都市や都市間のインフラ整備にも力を注ぐことをも指摘しています。

 また人材の確保では、新たな都市の出現の期待に絡めて、新たな人的資源の開拓の必要性も説いています。

 この人材確保戦争は、アメリカ企業の先を見据えたインドでの人材確保の動きが拍車をかけています。

 日本も人材確保の観点で、世界的な視野で戦略を立案する必要がありそうです。
 
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2005年12月14日

HCLテクノロジーズが日本のエクサと取引を始めます。

【 今日の記事 】

《  HCLテクノロジーズが日本のエクサと取引を始めます。  》

           2005/12/13  ロイター(インド)


 インドのソフトウェア・サービスを行うHCLテクノロジーズは、火曜日に1,000億ドルと見積もられる日本のシステム・インテグレーション市場へ進出するため、株式会社エクサと5年間の契約を結びました。


 日本IBMと日本有数の鉄鋼メーカーであるJFEスチールの合弁であるエクサは、製造業、金融や公共部門を顧客に持っています。


 ニューデリーに本拠を置くHCLテクノロジーズは、このパートナーシップにより今後5年で1億ドルの業務を行うことを目標にしています。このような契約はこの2ヶ月で2番目です。このニュースはHCLの株価を押し上げました。


 午前11時(グリニッジ標準時で5時半)、HCLテクノロジーズの株価は、ムンバイ市場で2.2%上昇し、539ルピーになりました。


 11月にはHCLテクノロジーズはオートデスクと、オフショア・インフラ管理で、5年で数百万ドルになる契約を締結しました。


 HCLはIBMと、組込みのアーキテクチャーを使ったシステム一式の構築でも合意しています。HCLは、輸出額が年25%以上も増え、2010年には600億ドルに達すると見込まれる、インドの成長著しいソフトウェア・サービス部門で有数の会社です。


 ますます多くの会社が、低コストで、英語を話す技術者が多くいる、インドのソフトウェア・サービス業界に期待を寄せています。



【 今日のキモ 】

 今日もHCLのニュースになってしまいました。

 記事にあるように、HCLは最近いろいろなところで、活発なビジネスを展開しています。

 エクサはIBMとJFEの合弁で、インドIT業界としても、日本の製造業にアクセスできるという点で、エクサとの提携はメリットは多いものと思われます。

 またエクサなど日本企業もこのような提携を通じて、インド企業との協業やグローバル市場への進出のノウハウを得ていくメリットがあるでしょう。

 さらにインドの人材の取り込みを図って、将来の人材の確保まで成長していけることができれば良いのですが。
 
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2005年12月13日

人材の不足がオフショアリングを脅かす。

【 今日の記事 】

《  人材の不足がオフショアリングを脅かす。  》

            2005/12/12 VNUNet.com(蘭)


 コンサルティング会社のマッキンゼーとインドのIT関連団体であるNasscomによると、インドのアウトソーシングを行う会社は専門のスタッフが50万人不足すると見られています。


 このレポートではインドはオフショアリングの成功により、2003年から2005年の間にこの分野で年30%の成長を達成し、今後5年でさらに年25%成長すると見込まれています。


 マッキンゼーは、多くの欧米の会社が始めてアウトソーシングに取り組むようになることで、この成長がいわゆる「人材争奪戦」を増幅させるだろうとみています。


 このコンサルタント会社では、潜在的な世界のオフショアリングの3,000億ドルの市場の中で、現状はそのわずか1/10程度であると見積もっています。このうち最も成長するとみられる分野は、医療、保険や研究といった高付加価値のサービスです。


 マッキンゼーは、労働力不足がITオフショアリングで先頭を行くインドに対する重大な障害となるだろうと述べています。


 この業界は現在100万人を雇用しています。その1/3はコールセンターのような、ビジネス・プロセス・アウトソーシングに携わっています。マッキンゼーは、この数を2010年までには230万人にまで増やす必要がある、と予測しています。


 マイクロソフトやJPモルガンによるこの地域への投資の計画、というニュースがありました。マイクロソフトは今後3,4年で3,000人も増強し、一方JPモルガンは2007年までに新卒者を4,700人採用する計画です。


 インドのアウトソーシングのリーダーであるタタ・コンサルタンシー・サービス、インフォシス・テクノロジーズやウィプロは、あわせて月に1,000人の若者を採用しています。


 この成長率は、オフィスのスペースにも大きな影響を及ぼしています。この不足はバンガロール、ハイデラバード、チェンナイ、ムンバイやニューデリーですでに顕著になっています。



【 今日のキモ 】

 インドへのオフショアリングは、記事にあるように相当な勢いで伸びています。

 その目的は、コスト削減であり、最近はこれに優秀な人材の確保という要因が加わっています。

 ですが、この流れが進み、ある程度の予想はされていましたが、インド国内での人材不足が話題になり始めています。

 25歳以下の人口で、世界一を誇るインドですが、もうこのような状況になりつつあります。

 主に言語の問題で、この「人材争奪戦」には、正面から参戦できませんが、日本の製造技術力と、親日的なインド人の感情で、なんとかインドへ親日本な人脈を築いていくべく、力を入れていくべきでしょう。

 またこのことがインド市場へ食い込むことにも、必ずや役立つことと思います。
 
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2005年12月12日

IBMのインドからの遠隔オフサイト・コンサルティング・サービスの計画は、品質の低下をもたらすのか?

【 今日の記事 】

《  IBMのインドからの遠隔オフサイト・コンサルティング・サービスの計画は、品質の低下をもたらすのか?  》

             2005/12/11    IndiaDaily(米)


 インドでの業務を行うと、お金の節約はできますが、品質の低下もあります。欧米の企業は品質を犠牲にしても低コストを享受し、帳簿上でいい成績を出しのを好みます。デフレ環境下で、インド人が1/3の価格でいろいろなものを生み出していくならば、何が心配なのか。品質低下が及ぼす問題は、それが長期間にわたってインド人など世界中の人々の生活の質を低下させるということです。しかしソフトウェアのバグ、混乱した開発や、管理やコードに関するドキュメントの欠如といった問題はインドだけでなく、どこでも見られる問題です。極めて重要なソフトウェアは、アウトソーシングすることは危険です。ソフトウェアのバグや不正確さ何年もたってから表面化します。欧米のソフトウェアのインフラはY2Kのような形で作られています。わからなくて個別的であるということが問題であり、危険なのです。


 それでもIBMは、インドからの遠隔オフサイト・コンサルティング・サービスを計画しています。メディアからの情報によると、多国籍IT大手のIBMは2006年から遠隔オフサイト・コンサルティング・サービスに参入する計画です。


 「我々は2006年から世界中の顧客に向けて、オフショア・コンサルティング・サービスを始める計画です。」とIBMグローバル・サービス・インディアのアミタブ・レイ取締役は言います。


 「この点で、我々はSAPの設定や戦略的ソリューションなどの各種ソリューションを、インドから世界中の顧客に遠隔で提供していきます。」とも語りました。


 レイ氏はIBMはすでにほとんどのアウトソーシング・サービスを提供していると言います。IBMグローバルは、世界30ヶ国に5万人以上の専門家がおり、500億ドルを売上げる、アウトソーシング・サービスに関するアプリケーションの世界最大手です。


 インドは世界の4ヶ所の拠点の中で最大のものです。米国内4ヶ所以外には日本、中国とイスラエルの3ヶ所です。


 IBMは公式に、インドは多国籍企業にとっては活気があり、すばらしい場所だと言っています。


 「2003年には、インドの社員数は9千人で、2004年には2万3千人になりました。5万人をこえる米国以外では、2番目に多い国となりました。


 しかしながら会社では現在の人材の増強については、明らかにしていませんが、今後については楽観的な感じを持っています。


 ベンガル地方の状況について聞かれた時、レイ氏は人数については明かしていませんが、会社としては継続的に需要に合うように場所の確保をし続けていると答えています。現在コルカタにあるIBMは全体で30万平方フィートある場所で、業務を行っています。


【 今日のキモ 】

 インドに限らずアウトソーシングの問題は、問題が表面化するまで時間がかかることが多いため、その場合開発者が社外では、詳細に、また早急に追えないことがあることです。

 とは言いながらも、コスト削減のメリットを享受し、企業の発展を追及する場合に、アウトソーシングを使う前提で、品質の問題を最小化するようなやり方を追及する必要があります。

 IBMはこの点で、インドからの遠隔コンサルティングをひとつの柱にしようとしています。

 たとえばSAPの導入や設定でも、継続的なコンサルとフォローが必要であり、それをインドから行うことで、価格的にも使いやすくする戦略のようです。

 ソフト開発やコンサルティングの分野でも、低価格で長期間フォローできる体制は今後重要なことでしょう。
 
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2005年12月10日

AZEは技術パートナーとしてウィプロを選びました。

【 今日の記事 】

《  AZEは技術パートナーとしてウィプロを選びました。  》

        2005/12/8 India Infoline(インド)


 ウィプロでグローバルにITサービスを行うウィプロ・テクノロジーズは水曜日に、医療用画像解析ソフトウェアで日本市場のリーダーである株式会社AZEから、バーチャル・プレイス・シリーズの最新版の開発での技術パートナーに選ばれたと発表しました。


 ウィプロとAZEは協同で製品開発を行います。ウィプロはAZEのエンジニアリング・チームの一員として開発に携わることになります。ウィプロは医療機器、中でも医療用の画像装置といった分野で高く評価されており、AZEが新たなバーチャル・プレイスを、限られた時間内で発売できるよう協力していくことになります。


 さらにウィプロはAZEと共同で、次世代のバーチャル・プレイスの製品の基本設計概念に、画像処理機能の増強や最新のDICOMを実装していくという仕事をすることになります。ウィプロのAZEとの関係は、ユーザーインターフェースの再設計や新しいバーチャルプレイスの初版のテストで、2005年の半ばに始まりました。


 AZEとウィプロのパートナーシップの点で、AZE社長でCEOのアゼモト氏は、「我々は製品の製造技術や開発における、彼らのビジョンや専門性を評価し、ウィプロを選びました。仕事のやり易さ、強いリーダーシップを持ったチームや豊富な人材といった点を考慮し、ウィプロとのパートナーを組むことにしました。」


 この提携について、ウィプロ・テクノロジーズで組込みシステム担当上級副社長V.R.ヴェンカテシュ氏は、「我々は今回、AZEとの関係が進んだことを非常に喜んでいます。ウィプロは、医療用画像解析ソフトウェアで日本市場のリーダーであるAZEに対して、高い技術力や製品製造技術サービスを提供できることを誇りに思います。ウィプロは優秀なエンジニアを投入し、AZEのスケジュールにあわせる自信を持っています。」と語りました。


【 今日のキモ 】

 インドはIT以外で、実は医療も進んでいます。

 インド医療の強みは、低価格による医療入国者の多さ、規制のない自由競争、病院建設における税制優遇などの政府の支援です。

 これにITとが組み合わさり、画像処理や診断装置、データ処理などの医療関係のソフトウェア技術も進んでいます。

 ウィプロはインド3位の世界的大企業で、組込み系にも力を入れています。

 またインド企業は総じて、日本の製造業を中心とする技術に敬意を表し、技術力のある日本企業との協業ではモチベーションも高いので、うまくいくことでしょう。

 日本企業も、ソフトウェアの製造技術やプロセスの点で得ることも多いと思われます。

 両者にとっていい結果をもたらすことでしょう。
 
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2005年12月09日

オフショアリングという大きな挑戦

【 今日の記事 】

《  オフショアリングという大きな挑戦  》

          2005/12/8 Management Issues(英)


 賃金や福利費用を大きく節約する可能性を持つことで、オフショアリングの動きが世界的に勢い保ち続けるでしょう。しかしその際、企業はいろいろ異なる人々を管理するという問題を避けることはできません。この問題は、海外と国内の両方であります。


 カンファレンス・ボードの最近の報告によると、海外で国内よりかなり低い賃金や給与で従業員を雇用する場合、チャンスもあるがリスクもあります。


 給与の点で、米国の事務員は時給15ドルですが、インドでは2ドルです。またカリフォルニアのプログラマーの平均年収は78千ドルですが、インドではわずか11千ドルです。オフショアリングした場合の経済的な結論は明確です。


 しかしオフショアリング市場における労働力の需要が増えるにつれ、企業はこの好機がいつまで続くか、また労働力の供給が需要の増大に追いついていけるかを考えています。


 すでにITスキルをもった人材に対する需要の増大が、彼らの賃金水準を押し上げています。インドでも特にバンガロールやニューデリーのような、中心地において顕著です。


 中国、インドやその他の国でも、高い技術を持った労働者の数は増加しているけれども、高い非識字率、言語習熟度の欠如、不十分な高等教育といった教育上の重大な制約があれば、その成長を簡単に止め、オフショアの地域としての魅力をそぐことになります。


 他方評論家は、賃金格差を求めて管理業務を海外へ移した場合の問題点は、国内の賃金や収入を押し下げる力が働くことだと警告します。


 オフショアリングやアウトソーシングに関して、カンファレンスボード・シニアアドバイザーのトン・ヘイジュメン氏は、そのような賃金格差は、失業や労働の長時間化といった社会的な緊張を高めるという危険性をもたらすと指摘しています。


 経営や人事に関する調査で、企業はアウトソースする前、それによって生じる利益、トレーニングや移動、文化的にかかる費用やその他かかる費用を考える際に、賃金の先行きを見ておく必要があると指摘しています。


 またその調査では。企業は国内においても、オフショアリングにより仕事を失う従業員を助けるために計画をたて、オフショアリングから生じる混乱を抑え、不満をかかえた社員の抵抗を抑え、従業員のモラルやポジティブなイメージを持ち続けさせることが必要であると論じています。


 「もしも企業が社員を雇う際のイメージを守りたければ、これらの点をすべて考慮しておかなければなりません。」と、ヘイジュメン氏は言いました。


 「このようないろいろな挑戦においては、革新的なアプローチやリーダーシップが求められます。」


 企業はオフショアリングを行う前にやっておかなければいけないことがあります。その国の雇用法に精通し、特に解雇に関する必要なことや義務などについて、相当な配慮をしておくことが必要です。


 企業は、経歴のチェックや照会などを通じて能力のある従業員を選別するなど雇用や解雇に要する費用やその手続き、あるいは適用する標準的な契約事項についても知っておかなければなりません。


 同様にオフショアリング・プロジェクトを行うリーダーにとっては、プロジェクト管理やその他の管理上必要なスキルは本質的に重要なことです。


 またオフショアリング担当の経営幹部は、管理上生じた問題を処理する能力や、配下のチームや個人のモチベーションを上げる技術をもった、良い管理者であるべきです。


 「オフショアリングを担当する経営幹部に最も必要なことのひとつは、信頼感を育み、維持させていく能力です。」と、この調査を主に行ったジャン・コーチ氏は言います。


 企業がこういった協力関係を築くことに取り組む中で、コーチ氏は管理者は重要な決定を行うすべてのレベルで関与し、社員が自分達の同僚やリーダーの能力を信じ、異文化間で健全に、知識を持って、協力していくという開かれた雰囲気を作り出すことを求めています。


 「製造というものは、組織内の各部門との間の高度な調整やとりまとめといった企業内の業務を総合して、個別の処理、ビジネス上の各工程やその他のサービスを行なって、管理していく長い期間を要するものです。」とトム・ヘイジュメン氏は言います。


 「業務上の問題に加えて、経営幹部は選択したオフショアリングの体制にかかわらず、時差を超えて人々やプロジェクトを管理し、推進し、対立を解消していかなければなりません。


【 今日のキモ 】

 今日の記事はオフショアリングに取り組む前に、コスト差から生じる利益だけに目を奪われずに、管理や人事といったバックグラウンドの整備や準備をきちんとやっておくことの重要性を指摘したものです。

 言われてみると当然のことではありますが、あらためてキモに銘じておかなければいけないことです。

 欧米は労務管理にドライな印象がありますが、オフショアリングでは世界中の人々との間をとりもって、モチベーションをあげていかないといけないので、こういった人材管理技術も管理者には必要でしょう。

 とりたてて特別なことではありませんが、ときおりこの内容を読み返して、思い起こしておきたいいい内容の記事だと思います。
 
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posted by Katsuhiko Doi at 15:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 05年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする